当院の内視鏡について

NBI内視鏡を採用しています

当院はNBI内視鏡を採用しています。NBIとは「Narrow Band Imaging」の略称で、日本語では「狭帯域光観察」といいます。
NBI内視鏡では粘膜表層の毛細血管を強調して観察することができます。
癌ができると、栄養を運ぶため非常に細い血管ができることから、癌の周りには正常粘膜には見られない不整形な模様ができます。NBIでは、この模様の部分が強調され、正常粘膜との見分けがつきやすく、微小な癌や早期癌の拾い上げに有用です。


従来の内視鏡

NBI内視鏡

拡大内視鏡

拡大観察機能付き内視鏡は、先端部の複数のレンズを動かす事で、対象物を拡大観察する事ができる内視鏡です。
約80倍の倍率で粘膜の表面模様や微小血管を詳細に観察できることから、NBI観察と組み合わせ、癌などの診断・早期発見に有用です。


通常観察

NBI観察

NBI拡大観察

内視鏡治療

大腸の早期癌やポリープには、腸管の内側に突き出した形の病変(隆起型)と平らな病変(表面型)の二つのタイプがあり、それに応じて切り取る方法が異なります。

①ポリペクトミー

ポリペクトミーはきのこのような茎のある形をしたがんやポリープを切り取る方法です。病変の茎の部分に「スネア」という金属の輪を掛けて締め、高周波の電流を流して焼き切ります。


スネア

②EMR(内視鏡的粘膜切除術)

平らな形をした癌やポリープに対して行う治療です。内視鏡を肛門から挿入し病変部の根本付近に生理食塩水を注入し、病変を持ち上げ、ポリペクトミーと同じように「スネア」を掛けて、電流を流して病変を焼切ります。


病変確認

局注

スネアリング

切除後

③ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

早期癌に対して行われている内視鏡治療です。特殊な電気メスでがんの周囲を切開した後に、がんのできている下の層(粘膜下層)で剥がしとってくる治療です。EMRでは不可能であった大きな病変を取り残しなく一括切除することが可能になりました。
当院では、NBI観察・拡大内視鏡検査で病変がESDの適応があるかどうかを厳密に判断した後に治療を行っております。

①②病変確認 ③マーキング・④局注 ⇒ プレカット・⑤粘膜全周切開 ⇒ ⑥⑦粘膜下層の切開、剥離 ⇒ ⑧剥離終了